八ヶ岳・やまびこ不動産へようこそ



タイトルに八ヶ岳という言葉がありますが、山岳モノではありません。ハートウォーミングなサイコ系、というかイタコ系? な、ちょっと変わったお話。

人の死にたい気持ちを察知する特殊な能力があるらしい主人公。ゆるやかに繋がりのある短編が5話収められており、いずれも身近な人の死をどう受け入れて行くのかがテーマの一つになっているよう。


今年初版をむかえた本で、著者にとってはデビュー作のようです。うーん、わたしのような者がいうのもなんですが…。「」付きのセリフが多い構成で、読みやすいという言い方もできますが、誰の発言か分かりにくいことしばしば。また、短編のわりには登場人物(と、死んだとされる人)が多めで、読み手のわたしは混乱。そして登場人物に愛着がわく前に物語が終わってしまうという残念感。

うーん、 が、がんばれ。

そんななか、個人的に気に入ったのは八ヶ岳の自然。わたし自身が八ヶ岳好きということもありますが、都会からやってきた主人公が八ヶ岳山麓の生活の中で、季節の移ろいにすこしずつ気づけるようになっていくところが良い。もう一つ気に入ったのは、たびたび登場する同僚の道歌。

一生は 旅の山路と思うべし
平地はすこし 峠さくさん



ABOUTこの記事をかいた人

The 9th trail. のあるじです。右往左往しています。