北岳敗退(雷雨編)

2015.8.3~5、南アルプスの北岳を目指してきました。ちょっと早く夏休みに突入したわが家。例年は北アルプスのさほど難易度が高くないコースを家族で歩いていましたが、今年の狙いは南アルプス。南アルプスっていうと素人を寄せつけない雰囲気が漂い、今まで家族連れで行ったことがありませんでした。そんなわが家でも、南アの北部エリアはいろいろ整っているしなんとか行けるかな? ということで、北岳に向けて出発しました。

が…。

出発は晴れていた

乗り合いタクシーから

芦安にクルマを停め、広河原まで乗り合いタクシーで移動です。南アルプスはとっつきにくいという印象を持ってしまう理由の一つがアクセス面。クルマでパッと乗り付けてパッと登るというスタイルが通用しない山が多い気がします。北岳への登山口となる広河原はマイカー規制につき芦安か奈良田からのバス移動が基本となり、直前に思いつきで行き先を決めがちな自分には気持ち的なプチハードル。さらに家族で行く際に鬼門となるのが『車酔い』。子供に酔い止めを飲ませたり、バスじゃなく乗り合いタクシーにしたりと、いろいろ工夫が必要です。

おおっ 間ノ岳と北岳

広河原へ向かう途中、タクシーの運ちゃんが気を利かせてくれて、間ノ岳と北岳が見えるビューポイントでクルマを停めてくれました。ささっと下車して一枚パチリ。スッキリ晴れて最高の登山日和。キャッホイ!
だと思ってたんですけどね…。

広河原に到着です

クルマから降り、スタスタと旅立って行くハイカーたち。わが家はちょいと腹ごしらえしたり、トイレを済ませたりと、のろのろと出発準備を整えます。あ、ここのトイレキレイです。

うむむ…

なんだか気になる天気予報。ところにより雷雨とな。最近流行の「大気の状態が不安定です」ってやつですね。でも夕立が来るとしても午後の遅い時間だろうし、運良くこのエリアだけは降らないかもしれないし、と自分たちの行動中は大丈夫だろうという都合の良い解釈で、この予報のことはあまり真剣に考えていなかった気がします。

出発!

雪渓が見える

さっそく北岳とその下の雪渓が見えてきました。ある程度登らないとその全容を見せてくれない山も多い中、北岳はあけっぴろげなかんじです。登山口からドドンとその姿を拝む事ができ、「かかってこい」ということでしょうか。ドキドキ。

大樺沢沿いへ

揺れる吊り橋にヒャーヒャー

広河原山荘のテン場

吊り橋を渡るとすぐ横に広河原山荘のテン場です。川のそばにありのんびりした佇まいのテン場。ここで避暑キャンプも良さそうですね。あまりに居心地が良さそうなのでここに設営してもいいかな、なんて思ってしまいますが、この日の行き先は白根御池小屋のテン場です。御池小屋もきっとステキなテン場に違いない。さて、登り始めましょう。

コースは若さでぎゅーぎゅー

人気の南ア。学生さん達のパーティーが多いように感じました。軽やかな足取りで爽やか&元気な挨拶にこっちが照れてしまうほど。若さ、いいね。

あちぃあちぃ

アルプスに来たおかげでここ最近の猛暑から脱出できたのは良かったものの、それでも歩いているとやっぱり暑い。歩き始めてすぐに滝汗です。

はあぁ 沢の冷気が気持ちいい

御池小屋に行くには樹林帯を進むのが距離的には近いのですが、まだ時間的な余裕があることと沢の涼を求めて、ちょっと大回りですが大樺沢沿いのコースを選択しました。

恐怖の雷雨

あれれ なにこのヤバイ空模様

沢の音を聞きながらゆっくりゆっくり登ってきて、パッと開けたところに出たと思ったら、さっきまで見えていた青空がもう見えませんでした。こりゃ、降ってきそうだな…。

よし 雪渓が見えてきたぞ

御池小屋に向かうにはこの先の雪渓の手前の二俣の分岐から大きく右にそれて、高低差の少ない樹林帯の水平移動です。樹林帯に入りさえすれば、雨に降られても木々の葉が遮ってくれて、そこそこは歩けるだろうと思っていました。とそこへボタボタと大粒の雨が落ちてきました。とりあえずザックカバーを着けて、二俣分岐まで先を急ぎます。

ゴロゴロォ… ピカッ!

き、きた。( ゚Д゚)

やや遠くで聞こえていた重低音の雷鳴。まだ大丈夫だろうと思っていたら、一気に近づいてきて、すぐ頭上で連続する稲光。そして土砂降りの雨。大樺沢の開けた河原を登っている時だったのであたりには遮るモノが無く、今にも雷が落ちてくるんじゃないかと、もう生きた心地がしません。

どうしよう。どうしよう。

途中、姿勢を低くして登山道の脇に伏せている男性が一名。「大丈夫ですかっ?」との問いかけに、「ここで雷をやり過ごす」との応え。自分たちもすぐにここに伏せた方がいいのかな? という考えがよぎるも、この土砂降りの雨に打たれながら雷雲が過ぎ去るまで待機する決断をすることができず、先へ進みました。
そうだ。もう少し先に仮設トイレがあったはず。

トイレが雷から守ってくれる保証はなかったけれど、とにかく仮設トイレを目指しました。幸いな事にトイレまでは思いのほか短時間で辿り着く事ができました。短時間と言えど、ピュンピュン雷が飛び交う中を歩くその何分かは、とても長い時間に感じました。

な なんとか避難

MOMOとMマ二人をトイレに押し込めて、自分も空いたブースに避難。この仮設トイレが雷に強いかどうかは知りませんが、この場をしのぐためにはこれしか方法がありませんでした。避難場所がちょっと臭うバイオトイレと言う事は、もはや気にしちゃいられない状況です。その後、右俣から必死で下山してきた人もトイレに避難しにきたり。そうして、トイレの中で30分くらい待機していたでしょうか…。

た、助かった…、かな?

雷鳴が遠ざかり、薄日がさしてきました。

無言の移動

まだ雨は降っていましたが、頃合いを見てトイレから出て御池小屋に向かいました。

着いた…

さっきまでの雷雨はどこへ行ったのか。御池小屋に着く頃にはキレイな青空が見えていました。

敗退決定

わらわらと小屋から出てくる人々

ここ御池小屋も激しい雷雨に襲われていたようですがそれも過ぎ去り、みなさん安堵の表情。悪天候が続くなら小屋泊もありかなと思っていましたが、今日は回復しそうなのでテン泊の手続きをしました。テントを設営して一息ついた頃には、あちこちから夕食の良い香りが漂っていました。

ほろ苦の夕食

われわれも食事の準備を。

パンと

シチューと

Mマは雨にあたってカラダが冷えていたようで、着替えてからあたたかい食事をとり、徐々にカラダは回復傾向。でも家族全員あの雷雨に襲われた精神的なダメージからは回復できませんでした。翌日も午後から雷雨の予報が出ていた事も踏まえ、この夕食のとき、今回の山行は中止する決定をしました。

山でグビッとやるのを楽しみに持ってきたビール

はじめての ザ・モルツは、なんだかほろ苦い味がしました…。

後編に続きます。

北岳敗退(避暑編)

2015.08.08

18 件のコメント

  • ちょっww
    雪渓の写真見た時、あれ?って思ったんですよね。。
    バイオトイレがあって良かったぁ。
    雷に強いかどうかわかりませんが、何もないより箱があった方が間違いなく精神衛生上、良いと思います。。
    自分も同じことしてたと思いますーw
    晴れは正義…
    あ、有料サイトのヤマテン。やっぱり良いです。オススメします(^.^)

  • あらら、それは残念でしたね。。
    でも無事で良かったです。
    わたしも白山の観光新道の稜線上とダイビングで大海原の船上という
    逃げ場の無い場所で雷雲に遭遇したことあるのでその怖さというか
    精神的ダメージは良く分かります。
    稜線上で目の前を真横に雷が走ったときはマジで死んだと思いました(^^;)
    トラウマにならないうちにまた挑んで下さいね。。

  • お疲れさまでした。
    カミナリ怖いですよね。
    避難出来るトイレがあって良かったですね。
    壁と天井があった方が精神的には楽なような気がします。
    またチャレンジしてくださいね(^-^)

  • 登山中の雷、恐ろしい...
    経験はしてませんが経験したくありませんw
    山の天気は変わりやすいと言いますが、まさにですね。
    翌日の予報からして中止は最善の選択ではないでしょうか。
    自分も同じ状況なら間違いなくそうしていたと思います。
    とにかく無事でなによりでした。

  • 山の雷は本当におそろしい。
    塩見岳に行くつもりが三伏峠の手前で身動き出来ない程の
    大雷雨に見舞われて単独行のせいもあって
    すっかり気持ちがめげて三伏峠小屋に逃げ込み
    翌日はそのまま下山したことがあります。
    山の雷と熊は本当に恐ろしい。
    それでも山は止められない。

  • いやぁ、さすがに雷だけはどうしようも無いですね。^^;
    今年は、例年以上に雷が多い様な気がします。我が家の周辺の山々に落ちまくってます。苦笑
    雷の退避時のポーズが有りますが、、、、ちょっと格好悪いけど、、、もう一度おさらいします。。。。
    来週の北ア縦走注意して登ってきますね。
    ツエルトとラジオ念の為、持参しよ。^^;

  • 毎年、この時期になると思うこと、、
    「MOMOパパさんは夏休みが長くていいなぁ~」
    北岳残念でした。
    雷では仕方がないですね。
    まぁ山は逃げませんから!
    まだまだ始まったばかりの夏休み、
    今年もたくさん思い出作られるんでしょうね~。
    レポ楽しみにしてます。

  • To: u10さん
    ちょっと臭いましたが、箱に救われた気がします。
    たぶん箱が無かったら先に精神がやられていた気が。
    ヤマテン導入を検討してみます。

  • To: akimichiさん
    海で雷は恐いですね。マジで。
    自分だけならまだいいんですが、
    家族連れだといろいろ考えさせられます。

  • To: 忠太さん
    できることなら経験しないほうが良いかと。(^^;
    山の天気の変化は、早くて速いですね。
    気をつけましょう~。

  • To: miyasin1さん
    コメントありがとうございます。
    身動き出来ないとは、まさに。
    精神的にもダメージありますよね…。
    熊さんにも遭わずに済ませたいものです。

  • To: tatudayoさん
    こうも不安定だと、
    いろいろとシミュレーションしておいたほうが良さそうですね。
    バッとかぶれるツエルトは常備しておくべきだったかな。

  • To: ゴードさん
    うーん、北岳登頂者の言葉は重みが違う。
    気のせいか、なんか上から目線の気も。(笑
    ちくそー、たくさん遊んでやる!

  • 山のお天気わからなすぎるよね。
    どんなレポよりドキドキしましたよ!
    無事でよかった。
    テン場で回復してるから
    ちょっともったいない気もするけど、
    一度怖い思いをすると払拭できない事って
    あるよね。
    再チャレンジしてくださーい。

  • To: HOKUさん
    ホク家も北アでお天気にもてあそばれたようで。(^^;
    風雨ならなんとか耐えられますが、雷はヤバイですね。
    ほんと無事でヨカッタ。
    再チャレンジ、あるのかな…。(涙

  • ども~
    ご無沙汰しておりまする~
    夏の北岳は、緑が濃くて気持ち良さそうですね。
    その反面、天候が快晴から雷雨に急変することもあったり。
    山で雷を目の当たりにするのは怖いですよね~そういうときは避難するか全力で逃げるべし(汗)とにかくご家族全員無事で何よりです!
    御池小屋でのバケットとシチューがめちゃ美味しそう・・・・・あっ モルツが一番かなぁ(笑)

  • To: みさきパパさん
    こちらこそご無沙汰ですー。
    いつも活躍拝見してますよー。
    やっぱりカミナリ様にはかないませんね。
    ディナーもビールも美味しかったです。(^^)

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