舞台は奥秩父の山小屋。この山小屋を舞台とした短編が6つおさめられています。目頭がじんわり熱く潤んでしまうシーンも多く、涙もろくなってきたオッサンはついつい、グスン。
父の死後、父の山小屋を継いだ息子の亨。右も左も分からない状態で小屋の主になった亨を助けに、父の後輩を名乗り現れるゴロさん。そして、まるで見えない何かに引き寄せられるようにその山小屋を訪れる人たちと、起こるドラマ。
舞台となる架空の山小屋は、大弛と甲武信の間に位置しているようですね。地図を脇に置いておくと、物語と現実とがリンクして、楽しめると思います。また、現実にはあり得ないような不思議系ストーリーもあるので、それをツッコミたい気持ちは忘れて、フィクションとして素直に受け入れたほうがより楽しめると思います。
夫婦、親子、友。人それぞれに存在する大切な人。そんな大切な人たちの死や病を通して、生きる意味が何か、考えさせられます。答えは見つからないかもしれないけど、読み終わった時、なんだか気持がラクになる一冊です。
あ、読み終わってから思いだしました。これ映画化されてたんですね。機会があったら映画も見てみようかな。
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