神々の山嶺



神々の山嶺(かみがみのいただき)。
上:エヴェ
下:レスト
2冊構成の大作です。

自分にとってはエベレストなんて縁遠い山で「この物語に入り込んでいけるかな?」なんて思いながら読み始めましたが、心配ご無用。マロリーのカメラにまつわるミステリー的要素と、それを取り巻く人物たちが繰り広げるサスペンス的要素が面白く、また、厳しくも美しい山々とクライマーたちの過酷な世界の描写に引き込まれてしまいました。

個人的に興味深かったのは登場人物たちの人間ドラマ。エベレストに登ろうとする人たちはどこかから選ばれた登山エリートの方々ばかりなのかと思いきや、ボクらと同じように日常は何かしらの仕事をこなしつつ、なんとか金と時間を工面して、あるいは仕事を辞めてまで、山に挑んでいるケースも多いのですね。

それぞれが抱えているバックグラウンド。
そしてそれぞれの選択。
いずれ山の第一線から退いていく多くの者たちと、
『山が人生のすべて』だという生き方を選ぶ者。
長い梅雨の停滞期の読書にオススメです。是非。

映画化

映画化

あ。2016年公開予定で映画化されるみたいですね。小説にせよ漫画にせよ、秀逸な原作を映画化すると賛否いろいろあると思いますが、これはどんな作品になるんでしょうか。現地ロケのシーンもあるということで、来年、映画館の大スクリーンで見てみたいですね。



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The 9th trail. のあるじです。右往左往しています。