神々の山嶺(かみがみのいただき)。
上:エヴェ
下:レスト
2冊構成の大作です。
自分にとってはエベレストなんて縁遠い山で「この物語に入り込んでいけるかな?」なんて思いながら読み始めましたが、心配ご無用。マロリーのカメラにまつわるミステリー的要素と、それを取り巻く人物たちが繰り広げるサスペンス的要素が面白く、また、厳しくも美しい山々とクライマーたちの過酷な世界の描写に引き込まれてしまいました。
個人的に興味深かったのは登場人物たちの人間ドラマ。エベレストに登ろうとする人たちはどこかから選ばれた登山エリートの方々ばかりなのかと思いきや、ボクらと同じように日常は何かしらの仕事をこなしつつ、なんとか金と時間を工面して、あるいは仕事を辞めてまで、山に挑んでいるケースも多いのですね。
それぞれが抱えているバックグラウンド。
そしてそれぞれの選択。
いずれ山の第一線から退いていく多くの者たちと、
『山が人生のすべて』だという生き方を選ぶ者。
長い梅雨の停滞期の読書にオススメです。是非。
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