黒部源流ハイクDay4・三俣越境



2017.7.18〜23、黒部源流域を歩いてきました。折立から雲ノ平まで歩いたDay1。水晶岳、鷲羽岳、黒部源流を歩いたDay2。雲ノ平散策と高天原温泉をのんびり楽しんだDay3。Day4は再び稜線に乗り、三俣蓮華岳を越えて黒部五郎のテン場へ向かいます。

高天原の朝

朝露に濡れるチングルマ

高天原山荘での小屋泊。温泉に入り、おいしいご飯を頂き、ちゃんとした布団でゆっくり疲れを取る事ができました。休養十分。

水晶岳の向こうから朝日

昨夜は12人で食べた夕飯でしたが、早立ちしていく方々がいたため朝食は6人。ちょっと寂しいですが、今日も天気が良さそうなので早朝から活動を開始するのは正解だと思います。でもボクはのんびりと、朝ご飯はおかわり×2。

静寂の水晶池

高天原山荘を出発し岩苔乗越へ向かいます。序盤はじわじわと高度を上げて行くコースで、体が起ききっていない朝一に歩くにはちょうどいい具合。

水晶池

しばらく進むと水晶池の案内が。コースを外れてちょっとだけ下る必要がありそうで、こういうときは見に行くか行かないか悩みます。“せっかくだから” という理由で今回は見に行く事にしましたが、道を遮るように木の枝が茂っていてとても歩きにくい道でありました。ここまで来た事をちょっと後悔し始めた頃、池が見えてきました。おぉ。

神秘的

誰もいない水晶池。水面は波一つなくまるで鏡のよう。そして静か。稜線の向こうからの陽の光で、森に光のベールがかかったようでした。

 

 

鏡の中の木々も見事でありました。

再び稜線へ

沢筋に咲き乱れる

岩苔乗越へ近づくほど斜度が増してきました。残雪から融け出した水が沢に集まり、その沢の周辺には多くの花が咲き乱れていました。

岩苔乗越から振り返る

何度か渡渉を繰り返し、雪渓を渡り、ようやく岩苔乗越へ。底から這い出てくるように登ってきた谷を振り返ります。

今日はヘリがたくさん

谷底から音だけは聞こえていましたが、稜線に立つとたくさんのヘリが飛んでいるのが目に入ってきました。明日は土曜日。夏の週末のためにどの小屋も物資を運んでもらっているようでした。

今回2度目の鷲羽岳

ワリモ岳からのぞむ鷲羽岳

三俣へは黒部源流コースを使う事もできたんですが雪渓の踏み抜きが恐くて、鷲羽を越える稜線コースを選びました。それにこの最高の天気を見れば、稜線コースが正解だよね。きゃっほーい♪

鷲羽岳からの鷲羽池と槍ヶ岳

今回2度目の鷲羽岳登頂。一昨日にも見たけれど、何度見ても良い眺め。絶景なり。

残雪の三俣

鷲羽岳からの三俣蓮華

無雪の山は味気ない。その点、鷲羽岳からの三俣蓮華は残雪が多く見られてとても美しい光景でした。

三俣蓮華の麓の三俣山荘

鷲羽岳からの下りは三俣山荘を目指すように下りてきます。どんどん小屋と同じ高さの目線になり、同時に背後の三俣蓮華が大きく感じられるようになってきます。

三俣山荘にもヘリ

山荘で休憩していると、ここにもヘリが物資運搬。三俣山荘には小さい女の子が滞在しているようで、突風を伴うヘリのやり過ごし方も馴れたもの。窓ガラス越しに様子を眺めていました。

三俣蓮華岳

三俣蓮華からの鷲羽

小屋で休憩ののち、三俣蓮華へ向けて出発。今度は三俣側から鷲羽を眺めてみます。鷲が大きく羽を広げたように見え、こちらから見れば鷲羽岳という名前がピッタリです。

雪がたっぷり

三俣蓮華のカール状の山肌には残雪がたっぷりで、巻道はまだ通行困難なようでした。雪が融けたらこの斜面にはお花がいっぱい咲くらしいです。

三俣蓮華山頂ゲット

ミツマタ。富山、岐阜、長野の3県の県境だそうです。ここから双六方面へ向かい、信州側の新穂高へ抜ける人が圧倒的に多そうですが、わたしは越中側へ向かいます。

黒部五郎へ

黒部五郎岳への稜線

延々と続く稜線。今日明日にかけて、ここから太郎平まで夢のような稜線ハイクを楽しみます。

右手には雲ノ平

進行方向右手、黒部川を挟んで雲ノ平の台地が見えます。小さく雲ノ平山荘も見えました。あそこにいたことが既に懐かしい。

眼下に黒部五郎小舎

三俣蓮華を下って行くと、小さく黒部五郎小舎が見えてきました。三俣蓮華と黒部五郎の中間の黒部乗越に位置しています。なぜだかすごく居心地が良さそうな予感のする場所です。予感は当たります。

黒部五郎岳

五郎のカールと呼ばれる通り、カール状になった斜面。あそこを歩くのは明日のお楽しみ。今日は黒部五郎のテン場がゴールです。

黒部五郎のテン場

看板カワイイ

到着。登山者の数を見ても、漂う雰囲気的にも、交通の要所の三俣山荘に比べて落ち着いた雰囲気。小屋番さんの応対からもそれが感じられました。

ナイスビュー!

テン場の受付を済ませて設営完、この日一番のりでした。それにしてもこの景色! そんなにテン泊の達人ではないけれど、今まで利用したテン場の中でもナンバーワンと言っていいかもしれません。景色良し、水豊富、フラットなテン場。結局この日は自分を含めて4張りでガラガラだったので、より好印象。

ラーメン絶品

正統派ラーメン

設営後、小屋でラーメンを注文しますた。黒部五郎小舎にもこれから荷揚げのためにヘリがくるとのことで、外は埃っぽくなるので中の休憩室でいただくことにしました。

チャーシューやばい

青菜、コーン、海苔、チャーシューと、トッピングはオーソドックスながらバランスが良く、山小屋のラーメンとしてはハイレベル。チャーシューが激ウマでした。

荷揚げの様子も美しい

荷揚げ中

結局、ラーメンを食べ終わってからヘリがやってきました。ヘリの種類が他と違うなぁ。スケルトンでカッコイイ。

荷揚げも絶景

他の小屋の荷揚げは “ただの荷物の運搬” というかんじですが、黒部五郎小舎はそれすらも絵になります。4往復くらいしてたかな。ずっと眺めていました。

カレーづくし

今日の晩ご飯

えーと、お気づきの方はお気づきかも知れませんが、今回の長期山行のディナーはすべてカレーにしました。重量のある無印カレーは先に消費してしまったので、後半戦はフリーズドライです。しかしフリーズドライだけでは寂しいので、今夜はコンビーフをプラスしてみます。

カツカレーインスパイア

カツカレーをイメージして、スライスしてフライパンで焼いたコンビーフをトッピングしてみました。これがウマし! ただのフリーズドライカレーがボリュームアップしてグルメカレーに変身です。次回はコンビーフをほぐして煮込んでみても面白いかもしれません。ちなみにカレーをおいしくいただくために米は毎食炊きました。アルファ米を持ってこなかったところが今回のこだわり。

一日の終わり

日没

一日の終わりにその日の行程をふりかえります。そう言えば朝は高天原にいたんだったなー。今日のことなのに、もういつのことだったかよく分からなくなってしまっています。

明日は憧れの黒部五郎のカールを歩いて、初日に通過した太郎平へ再び。

黒部源流ハイク・プロローグ

2017-07-28

黒部源流ハイクDay1・雲ノ平

2017-07-30

黒部源流ハイクDay2・水晶鷲羽

2017-07-31

黒部源流ハイクDay3・高天原

2017-08-03

黒部源流ハイクDay5,6・黒部五郎岳そして下山

2017-08-16

黒部源流ハイク番外・山田旅館

2017-08-18



2 件のコメント

  • 二度も鷲羽!
    でもこれ見たら歩きたくなるのわかりますw

    それにしても良い天気。
    週末に同エリア周辺を縦走予定なんですが、
    天気予報がスカっとしないんですよねぇ、、

    • 鷲羽は立派なお山ですね。でもぶっちゃけ何日も歩いてると、通過した場所がたまたま山頂だった、という程度になってきて、ピークゲットの感慨は薄れてくると知りました。

      今夏の天気はパッとしないですねー。まだ梅雨時期のほうが良かった気が。今行くなら北アがまだましっぽいですね。わたしも週末どこか行きたかったんですが、悩みちうです。

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    The 9th trail. のあるじです。右往左往しています。