唐松岳(前編)



MOMO Familyが初めて山を体験したのは去年の高尾山でした。そして今年の夏。無謀にも、山小屋泊の登山を計画してしまいました。ターゲットは北アルプスの唐松岳! 今回は“山歩き”というゆるーいかんじではなく、“登山”と言った方が良さそうです。MOMO Familyは家族全員初心者なのに、いいんでしょうか? 大丈夫なんでしょうか?
2011.8.11、アタックを開始しました…。



前日の2011.8.10、白馬を目指して出発します。この日は移動日とし、白馬八方の麓の旅館まるいしに泊まる予定です。途中、雨がパラつく不安定な天気でした。なんでサングラスしてんの?

まるいしさんの夕食がこれまたうまかった。唐松岳登頂の前祝いか、それとも最後の晩餐か..。

食後、月が見えましたがこの日の天候は不安定。明日もちょっと不安定な模様。MOMO Familyのこころも不安定。明日は登れるやろか?
【5:30】

起床。部屋から気球が見える。これから登る山の方は雲がかかっている。湿っぽい空気…。
コンビニへ今日のランチを調達に行ったり、いろいろと出発準備。
結局、なんだかんだで宿を出発したのは 7:30。遅出のMOMO Familyにしては早い!(?)。まるいしさんのご好意で、旅館の駐車場に黒豆号を停めさせて頂きました。明日迎えにくるからね。また、『疲れたら食べて』とおかみさんからお菓子を頂きました。ありがとうございます。いってきます。
【7:45】

まるいしさんから白馬八方尾根スキー場のゴンドラ“アダム”まで徒歩10分ちょっと。途中、神社さんへも行ってきます、のご挨拶。
ちなみに、黒菱林道をクルマで上って黒菱リフトを使う方法もあり、この場合はゴンドラに乗らなくて済みます<節約。ただ、この日は林道は通行止めとなっており、ゴンドラを使うしかありませんでした。

ゴンドラ“アダム”に到着。アダム前に気になる名前のお店がありました。こんどおじゃまします。
アダム乗り場前に登山届けを受け付けてくれるブースがありました。そこのおじさんに事前に用意しておいた登山届けを提出します。登山届けポストがあるだけの山が多いのですが、すばらしい。と、慣れた風なことをいってますが、実は登山届けを書くのも出すのも今回が初めてです<おいおい。さすがに今回は“登山”と思われるので、MOMOパパが用意しておきました。無事におじさんのチェックをパスし、受理されました。ホッ。
【8:00】

ゴンドラ“アダム”に乗り込みます。この先さらにリフトを2本乗り継いで、八方池山荘へ向かいます。

草を食む放牧中の牛さんたち。モウお腹空いたのか?

五輪と。ここでオリンピックがあったことに、MOMOはびっくりしていました。

なにかいるの?
【8:40】八方池山荘(1830m)

八方池山荘に到着。ここでも宿泊できるようです。
この時点で、東の方角は青空が見えているのですが、これから向かう西の方角は…。

白馬三山方面。もわっとした雲が山頂付近を覆っています。

五竜方面。こちらのほうが雲の色が黒っぽく、怖い…。
【8:50】

さあ、ここからが始まりです。といっても、しばらくはよく整備された道を進みます。八方池までは観光地ですから。
岩登りの練習をしているMOMO。いいから早く歩きなさい。

みんなでぞろぞろ。このあたりは人が多いです。ニッコウキスゲが咲いています。ニッコウキスゲは名前を覚えた数少ない花の一つです。

白馬の麓が見える~。けっこう登ってきましたね(リフトでね)。

この日、風の通り道にあたると飛ばされそうでした。木道が敷かれている箇所もあります。

まだそれほど標高が高くないと思いますが、雪が残っています。

これから進む道が見えます。ちょっと歩けば八方池に着くだろう、と軽い気持ちで歩き始めた観光目的の方々は、まだ歩かなきゃいけないの?と、かなりブルーな様子。雲がかかっていて白馬三山の景色もいまいちだし。おまけに気温も下がってきて風もあるので、Tシャツ1枚の方々は寒そうです。
【9:50】第2ケルン(2005m)

第2ケルン手前にトイレあります。ここらで休憩を入れる方多いです。
【10:00】八方ケルン(2035m)
【10:15】第3ケルン(2080m)


第3ケルン付近から見た八方池。白馬の頂上は雲に隠れて見えませんが、山肌を見るだけでも迫力があります。確かにこれだけでアルプスが感じられ、満足いく夏の思い出になりそうです。
さて、左の地図をご覧下さい。八方尾根オフィシャルサイトの地図をプリントして持ってきていました(ちょいと拝借)。ここで気になるのは『この先は登山装備が必要です』との注意書き。みなさん“登山装備”って何を思い浮かべますか?
MOMO Familyの頭の中では、つるはし、ロープ、ヘルメット、トランシーバー、隊長と呼ばれる人、頂上に立てる旗 などなど、いろいろ思い浮かんでいたんでしょうが、どれも装備していません。MOMOママは『私たちこの先に行っていいの?』とかなりの心配顔。MOMOパパも、『ここから先はいままでとはちょっとちがうぜ』というメッセージに、ちょっとビビっています。
で結局は『だいじょうぶ、だいじょうぶ』と、根拠の無いMOMOパパの判断により先に進みます。
【11:10】

八方池の先をしばらく行った林の中でランチとしました。MOMOパパとしてはこの先の“扇の雪渓”でランチとしたかったのですが、MOMOのハラヘッタ攻撃に耐えられませんでした。これはこれで、風が遮られてよかったのですが。
【11:40】

“扇の雪渓”に出ました。雪の壁のようです。

さっきランチをとったばかりですが、せっかくなのでここでも休憩。MOMOママお疲れ?

風がなく、太陽の光が暖かく、とても居心地の良い場所でした。MOMOは昼寝(のフリ)。よほど気に入ったのか、翌日の帰り道でもここで昼寝(のフリ)をしていました。
みなさん、大休止は扇の雪渓がおすすめです。
【12:35】丸山ケルン(2430m)

この丸山からしばらくは白馬三山の景色が良いスポットがところどころありましたが、この日は風が強かったです。帽子が飛んでっちゃうよ。
リフトを降りた八方池山荘を基点として行程を見ると、距離も高度も、八方池までが3分の1、丸山までが3分の2、と思ってよさそうです。というわけで残り3分の1だ、がんばろう。

高度を増し、振り返って見た丸山ケルン。(そう言われると丸い気がしますが、丸いから丸山なの?)

下から登ってくる途中、頂上付近は雲に覆われてるなぁ~、と思ってみていましたが、MOMO Family自身が雲の中に入ってきたようです。

ここから先のルートの難易度、危険度は今までよりも増していると感じました。まず、斜面を横切るような登山道が多くなり、下に転がり落ちる危険があります。また、崖もあります。崖には木の足場が渡してあったり、落石を止めるネットが張ってあったり、落ちたら終わりだなと思われるレベルです。
その場にいけば危険な場所だとすぐ分かると思いますが、危険度が高いところに鎖やロープが設置してあるようなので、それらを見て気を引き締め、しっかり掴んで歩くのが良いかと思います。MOMOも多少怖がりましたが、手をつないで二人で歩ける道幅も無いし、かえって危険なので、自分で歩いてもらうしかありません。子供にも危険な場所だと認識してもらい、ふざけないで慎重に歩かせることが大事かと思います。(MOMOパパもさすがに写真を撮る余裕がなくなってきていました。)

おまけに視界が悪く先が見通せず、強風でビュンビュン流れる雲が異様です。やっぱりMOMO Familyのような初心者が来ちゃいけない世界だったんだろうか…。

あ? 先を歩いていたMOMOママの先に建物が見えます。着いたの?
【13:50】

やったー! 今日宿泊する唐松岳頂上山荘に到着しました!
9:00頃に歩き始めてから約5時間。
数字上はとくべつ長いということはありませんが、低山とは異なる険しい環境で登りきった充実感と疲労。(疲労は精神的なもののほうが大きかったように思います byMOMOパパ)
唐松岳頂上山荘のシンボルの2つの鐘の前でパチり。しまった、ガラスの向こうに知らんおっさんが写ってる。

今日は視界が全く効かず、これから唐松岳の頂上までいってもなにも見れないため、今日は山荘で待機しましょう。
山荘の中に入るとそこは別世界。外の荒々しい気候から、みんなを守ってくれます。
・食堂(写真左上)
先に到着されている方々は食堂でまったりとしています。本、雑誌、漫画、トランプなどが置いてあります。それにしても奇麗な食堂です。
・部屋(写真右上)
今回MOMO Familyは個室を予約していきました(部屋代としてプラス\16,000だったかな?)。初めて&子連れでの山小屋ということで奮発しました。個室がある棟には子供の声や走る音が響いていたので、やはり個室は子供連れに人気があるのでしょう。個室も奇麗です。ちなみに個室は、剣岳と立山が見える部屋と見えない部屋が有るようです。MOMO Family は見える部屋でしたが、この日の窓の外は真っ白けで何も見えず。
・喫茶(写真左下、右下)
食堂は1階。喫茶は2階にあります。
MOMOはホットカルピス、MOMOママは紅茶、MOMOパパはコーヒーを注文。下界の値段に比べると高価ですが、ここで飲める価値を考えると納得。
ちなみにアルコール類も充実しています。MOMO Familyが喫茶に入ったときには50代の山の猛者たちが酒盛り中。純粋に楽しそうでした。
【18:00】

夕食。ごはん、みそ汁おかわり可。おいしかったです。
◆初心者の失敗談
山の気温をナメてました。夜はめちゃめちゃ寒いです。MOMOパパはみんなのランチを担ぐので余計な荷物を減らしたいのと、寒がりではないということで防寒着を持ってきませんでした。しかしみなさん、防寒着は必須です。
また、山荘には風呂がないので体拭き用のウェットタオルを持っていきましたが、これが失敗でした。爽快クール系のものを持って行ったのですが、寒い中、そのクール系ウェットタオルで体を拭いた所、寒さ3倍になります。かなり危険なアイテムと化すので、ウェットタオルを持っていくときは配合成分に要注意です。
◆初心者の山小屋の感想
ここ唐松岳頂上山荘は、山小屋の中でも施設/設備が充実した部類にはいるようです。個室ということもあり、特に不快なことはありませんでした。トイレでは紙を流さずに横のゴミ箱に捨てる、水道の水は口にしない(飲用水は売店で売っています)、などが特殊事情として山荘の方から説明を受けますが、その他は良い意味で普通です。
あとは上述しましたが、夏とはいえ夜は寒いのでフリースかダウンを持参したほうが良さそうです。また、綿布団だけでは寒い場合もありそうなので、寒がりの方は寝袋を持参できればなおよいと思います。
大人は快適な都市生活に慣れきってしまっており、こういう環境には子供の方が適応できているように感じました。MOMOは不便な事自体を楽しんでいたようです。
◆MOMOパパの独り言
独り言1:明日はこの雲が晴れるだろうか?
独り言2:でももし晴れなくても、ここまで来れただけですごいことだ。
独り言3:でもせっかくだから晴れて欲しい。
独り言4:そりゃそうだけど、もし晴れなくても…
と、つぶやきながら眠りにつきました。
独り言5:でもやっぱり、明日は晴れて欲しいよ!
夜中ずっと、強風で窓がカタカタと揺れていました。
後編に続く…。



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


ABOUTこの記事をかいた人

The 9th trail. のあるじです。右往左往しています。