真冬なのにそんな話すんな YO! なんて言われそうですがそうでもないのです。早い人は年明け早々にも苦悩が始まるのですから。年が明け、1月2月は本格的な雪遊びシーズン。キャッキャウフフと雪に戯れている頭の片隅にいつもある不安。そうこうしてるうち、3月頃から徐々に訪れる暖かい日々が、苦悩のシーズンの到来を告げるのです。苦悩の名は、スギ花粉症。
花粉との戦い
花粉への対処としてまず大切なのは、体内に侵入させないこと。マスクしたり、花粉対策メガネしたり、窓を開けないようにしたり、洗濯物やふとんは外で干さないでー、とお願いしたり。
まあでもどこかに限界はあるわけで。対処しているつもりでも、知らずのうちに花粉を体内に取り込んでいるのです。特に春の陽気がマズイ。あたたかな春の陽気に誘われて、やれ花見だ、それハイキングだ、なんて、おろそかな対処でソトアソビに夢中になっているうちに花粉の大量摂取。そしていつものように発症、というのが例年のパターン。(涙
クスリを服用したり、目薬をさしたりして症状を和らげるのですが、所詮は一時的に症状を抑える対処療法。効果があればまだいいのですが、最近は薬が効かない体質になってきている気も。
鼻だけでもなんとかしようと以前、鼻の粘膜をレーザーで焼くことでアレルギー反応を起こりにくくする治療もしたことがありますが、数年で元に戻っちゃうんですよね。そもそも目には効果ないし…。
決定版! 免疫療法
アレルギー反応を根治するには、やっぱり体質を改善していくしかないのですね。免疫療法、減感作療法。すなわち、アレルギーの原因物質を普段から投与し続けることで体を慣らし、敵が体内に侵入して来ても敵だと思わないようにしてしまおうと言うもの。
古くから注射による免疫療法はあったようなんですが、長期にわたって病院に通い注射を打ち続ける必要があり、現実的に治療を続けて行くのはなかなか難しいものでした。
しかし最近、『舌下免疫療法』と言って、自宅で服用できる療法が認可されたのです。何年か前から臨床が始まっているという話は聞いていたので、待ちわびてましたよ、認可を。
というわけで、毎年重度の花粉症に悩まされる自分も、舌下免疫療法を開始したのであります。こんな個人ブログを見てるより、興味のある方はとっととお医者さんに言って相談するべきですが、一人の患者の体験談としてまとめておきます。
導入
10月
たまたま別件で耳鼻科に行った時、先生に「舌下療法、なかなか良いらしいよ。どう?」なんて誘われ(?)、ざっくりとした話を伺いました。花粉症シーズンを含む11月~5月の期間は舌下免疫療法を開始できないルールのようで、始めるなら今。うじうじ悩んでる時間はありませんでした。
後日、さっそく正式に治療をお願いしに再訪。
まずは血液検査をして本当にスギの花粉症かを確認します。ほら、ほんとだってば。そして治療を開始するにあたっては、しっかりと説明を受けます。- 治療には3~5年かかる。
- 基本は毎日服用。
- 薬液を舌の下に垂らして2分待機。その後飲み込む。
- 効果には人によって差がある。効果が出ない可能性も。
- リスク(副作用の可能性)もゼロでは無い。
などなど、20~30分くらいは説明を聞いていたでしょうか。その後、説明の内容に了解した旨をサインします。うむ。効果が出なかった場合とか、副作用が出た場合とか、こういうのはいろいろあるからね。しっかり本人の合意を取るルールのようです。
治療開始
クスリの名前はシダトレン。薬液は濃度が低いものを少量から始め、徐々に体を慣らしていくのです。
最初の1週目
薄いのを数滴から始めていきます。1週間接種後に先生に診てもらい、体が過剰に反応していないか、次のステップに進んでも問題無いか、判断してもらいます。
2週目
次は濃度アップです。これも1週間接種後、同様に通院して次のステップへ進む許可を得ます。
2週目以降
ようやくここからが正式版。今まではプッシュ式のものでしたが、これからは一日の摂取分がパウチされたものを一日一本服用していきます。基本的に1回の処方で4週間分もらうので、月一ペースで通院することになります。治療はかなり慎重にすすめていく印象で、万が一がないようにしっかりとした導入ルールが策定されているようです。ちなみに薬液の味はと言うと、甘さとピリ辛さが混ざった感じ? まあ薬ですもの、おいしいものではありませんが、すぐに慣れます。また、舌の下に薬を垂らして2分間待つと言う行為。長いようで短いようで最初は戸惑いもありましたが、特に苦痛なものではなくこちらもすぐに慣れました。
この治療のキモは患者が自分で『続けること』。根治を目指すには4~5年という長い時間がかかる治療です。毎日の摂取と毎月の通院、これが続けられず、辞めちゃう人も出てくるんだとかで…。
治療にスマホアプリ
そんな続けられない患者に継続して治療してもらえるように、いろいろな施策が用意されており、ちょっと感心してしまいました。
一つ目が、モーニングコールならぬ、投薬コールサービス。もうシダトレンが切れているはずなのに薬の処方をしに来ない患者に対しては、医師が電話して継続を促すサポートをしてくれるとのこと。(任意)
二つ目が、シダトレンアプリ。まさにスマホ時代の治療です。継続をサポートするためのツールが入ったアプリが配布されており、インストールすれば無料で使えます。(任意)
アプリにはいろいろな機能が入ってます。薬液を舌の下に垂らして2分待つ間のヒマつぶしのためのプチゲームも入っていて、なかなかユニーク。(笑コスト
さて、みなさん気になるコストのお話し。治療の開始当初は、初回、1週間、2週間、と頻繁に通い、血液検査を含む診療費もかさみがち。治療の定常状態に入れば通院&処方は4週間に1回。今のわたくしの場合、1回あたり 診療費\730+薬代1500。ということは1年で\26760、5年続けるとなるとそれなりな金額に…。
でも、毎シーズンの花粉症の苦しみと、対処療法費を一生背負って行くことを考えると、根治に取り組む価値があると判断しました。
安心して下さい。飲んでますよ。まだ始めて数ヶ月。くじけずに根治を目指したいと思います。いつの日か、何も気にせず春の花見を楽しめるようになるといいなぁ。
こんばんは~。
テレビで見たことあります、舌下療法。
効果が出ない場合もあるようですし、
時間はかかるようですが、これで花粉症が治るのならと、
自分も興味を抱いてます。
今のところ、自分の花粉症は飲み薬で十分症状がおさまる程度なので
まだよいのですが、症状がきつくなったりすると
薬代もバカにならないですし、いつかはこの療法もと思ったり。
でも根気よく続けるのは大変そうですね(^_^;)
スマホアプリってのが今っぽくて便利そうです。
先は長そうですが早く効き目が出るとイイですね。
頑張ってください!
昔々に気になって調べたんですが、近所でやってる所がなくて諦めたんです。
最近は増えたのかなぁ。。。
最近は医者に行くのが面倒で、アレグラ飲んで終わりにしてたので情報不足かも。
調べてみよっと。
頑張れば治るんなら、多少面倒なのは我慢しますよね(^-^)
おぉ、初めてたんですね。
治療に3~5年と聞き、自分も早く始めなきゃと思っていましたが
面倒くさがりの自分は、病院に行くことすらせず・・・
結果出ると良いですね
To: Ameさん
>テレビで見たことあります、舌下療法。
わたしも臨床の話題をどこかで見た記憶があります。
子供の患者さんでもテストしていたような。
> 自分も興味を抱いてます。
花粉症の被害と、治療にかける金と時間と気合、
何を優先するかは人によって迷うところですよね。
命を脅かすほどのものでもないところがまた悩みどころです。
わたしの場合、目が見えなくなるほど腫れたり、
息が出来ないほど鼻づまり&ズルズルなので、
命の危険を感じることもあったりして。
>でも根気よく続けるのは大変そうですね(^_^;)
そこが問題です。(^^;
>スマホアプリってのが今っぽくて便利そうです。
治療のシステムが完璧に作り込まれていて、
これにかける製薬会社の気合いを感じました。
まさに『シダトレンワールド』です。
>先は長そうですが早く効き目が出るとイイですね。
気が向いたら経過報告でもしたいと思います。
がんばります!
To: ちびるくん
>最近は増えたのかなぁ。。。
町医者にノウハウがなかったり、保険適用の問題だったり、
1回で処方できる薬の量が限られていたりと、
以前はあまり治療しやすい状況ではなかったみたいですが、
ここ1年くらいで環境が整ってきたようですよ。
>頑張れば治るんなら、
ちなみに、
「治る保証は無いから治らなくても文句言わないでね」
的なニュアンスの書類にサインしたりもします。(笑
いずれにせよ始めてみないことには何も起こらないので、
5年後目指して続けてみたいです。
To: u10さん
>面倒くさがりの自分は、病院に行くことすらせず・・・
自分も何かきっかけがないと、なかなか医者行かないです。
昨秋、喉/気管を痛めて医者に行った時、
いい機会なのでいろいろ聞いて、やる気になりました。
>結果出ると良いですね
5年後に結果報告会を行いますのでご参集よろしくお願いします。w